霑妙寺だより

七月「一ヶ月間唱題行」はじまる


毎年七月は御法主日如上人猊下の大導師で一ヶ月間の唱題行がおこなわれる。
霑妙寺でも御住職諏訪涼道御尊師の御導師のもと毎日三回の唱題行がおこなわれているが、今月は特に全国一斉に行われる唱題の月ととらえ、折伏誓願目標の達成のため今までに増して唱題に励もう。
『報恩躍進の年』も後半戦に入った。御住職は「とくに親・兄弟・親族など自分にとって大切な人を折伏しましょう」「真剣に唱題することによって、御本尊様が折伏の縁を作ってくださるのです」と、縁ある人への折伏と唱題の大切さを御指導された。
霑妙寺支部では昨年三月から、一日二時間・五千遍の唱題行に取り組んできた。この唱題の渦をさらに大きくし、今年の折伏誓願目標を必ず達成しよう。



■御住職御指導

みなさまこんにちは。
六月度の御報恩御講にあたり、ただいま仏祖三宝尊の御宝前に献膳申し上げ、読経・焼香・唱題と如法に勤め篤く御報恩謝徳申し上げたしだいです。
本田総代をはじめ総代各位、永松講頭ほか講員の皆さまには、仏恩報謝のため御参詣まことに御苦労様に存じます。
先月から二十期にわたり法華講講習会がはじまりました。コロナ禍の感染予防対策のため各期ともに五百人前後の規模をもって講習会が行われています。霑妙寺からも八十人以上の参加者によって各期に申し込みいただいています。各自喜びの中、久し振りの御登山となりました。この様子を拝見して私も有難く感じたしだいです。
霑妙寺御信徒が総本山に登山し御開扉を受けられたこと、また講習会では担当講師の講義を聞いて多くの方々が、日蓮大聖人の仏法の大切な基本を信心で学んだこと、みな大きな功徳に違いありません。本当におめでとうございます。また御苦労様でした。
講習会では信心の理念を具体的に学ぶことができたと思います。なぜ折伏をしなければならないのか、解っているようで分からない方もいたと思います。御法主日如上人猊下は折伏について次のように御指南下されています(大日蓮平成二十四年六月号)。要約しますと
一、折伏こそ、地涌の菩薩の眷属の使命であること。
一、折伏こそ、一切衆生救済の最善の慈悲行であること。
一、折伏こそ、仏祖三宝尊への最高の報恩行であること。
一、折伏こそ、自らの過去遠々劫の罪障を消滅する最高の仏道修行であること。
以上のお言葉にあるように、私達にとって欠かすことのできない最も大切な仏道修行が折伏行なのです。
日蓮大聖人は『法華初心成仏抄』に
「仏になる法華経を耳にふれぬれば、是を種として必ず仏になるなり。されば天台・妙楽も此の心を以て、強ひて法華経を説くべしとは釈し給へり(中略)とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし」
(一三一六)
と。まさに人々が仏になることができる法華経を強いて説くことが如何に大切か、これが折伏なのです。「とてもかくても法華経を強ひて説き聞かすべし」との御金言を実践することが私達の使命であり、慈悲行となり、報恩行となるのです。そしてなにより過去の罪障を消滅できる最高の仏道修行となるのです。ここに計り知れない功徳があり、そして一生成仏の尊い道があるのです。
日蓮大聖人は『諫暁八幡抄』に
「只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり。此即ち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり」
(一五三九)
と仰せられています。大聖人は、六道を果てしなく巡る衆生の命を仏道へと引導し、仏果を得させようとして、このように仰せられているのです。大聖人の眷属となった私達は、何をすべきか、もう明らかではありませんか。
今年は必ず一人が一人の折伏を実践して、日蓮大聖人の御照覧に預かろうではありませんか。まさに一生空しく過ごして万歳悔いを残すことがあってはなりません。どこでも、誰に対してでも、機会を見つけて下種折伏を本気でおこないましょう。

では今月の御書のお話に入りたいと思います。御書をお持ちの方は、六三〇頁七行目をお開きください。では拝読いたします。

『祈祷抄』
文永九年   五十一歳
(御書六三〇頁七行目~一一行目)

「大地はさゝばはづるゝとも、虚空をつなぐ者はありとも、潮のみちひぬ事はありとも、日は西より出づるとも、法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず。法華経の行者を諸の菩薩・人天・八部等、二聖・二天・十羅刹等、千に一も来たりてまぼり給はぬ事侍らば、上は釈迦諸仏をあなづり奉り、下は九界をたぼらかす失あり。行者は必ず不実なりとも智慧はをろかなりとも身は不浄なりとも戒徳は備へずとも南無妙法蓮華経と申さば必ず守護し給ふべし」

世の中は何か悪化の一途を進んでいるように思えてなりません。コロナ禍の問題もそうです。こんなことが現実に起こるのかと思うような出来事でした。ウクライナに起こっているロシアによる侵略戦争もしかりです。何百万という人々が戦火の中で苦しんでいます。このような理不尽なことがある日突然起こるのです。この戦火によって食料の供給国であるウクライナからの小麦などの輸出ができなくなり、アフリカなど食料輸入国では飢餓が始まっていると聞きます。怒りは戦争を起こす。貪りは飢餓を招く、愚痴は疫病となって現れると大聖人は説かれています。この貪瞋痴三毒の命は謗法によって盛んとなり様々な現証を招くのです。末法濁悪の衆生は貪瞋痴三毒強盛の命をもっています。これがまた謗法によってより盛んとなり悲惨な状況が生まれるのです。
御法主日如上人猊下は
「私どもは、謗法の害毒によって苦悩に喘ぐ多くの人々に謗法の恐ろしさを教え、正しい大聖人様の仏法によらなければ真の幸せを築くことができないことを、一人でも多くの人に伝えていかなければならない大事な使命があることを忘れてはなりません」
(令和四年四月三日広布唱題会の砌)
ここに私達宗門僧俗の広布に掛ける使命と信心があるのです。日蓮大聖人の御遺命である一切衆生救済のために広宣流布を願業し、これを日常の生活のなかで実践していく信心こそ大切ではないでしょうか。私達の周りには未だ日蓮大聖人の仏法に縁していない人々が大勢います。そのような中、皆さまにとって一番大切な方から、この信心のお話をしていきましょう。真の勇気と真の慈悲と、そして御本尊への確信があれば、折伏は誰でもできると、御法主上人は仰せられています。頑張ってまいりましょう。
以上で今月の御講のお話といたします。御苦労様でした。暑くなりますので、体調管理にはこれからも充分気をつけてお過ごしください。

■講頭あいさつ

暑い夏となりましたが熱中症などには十分気を付けて日々精進してまいりましょう。
私たち日蓮正宗僧俗は、御本仏日蓮大聖人の御遺命である「広宣流布」を目指して、毎年の折伏誓願目標達成のために精進しています。
私たちは、朝夕の勤行の中で、朝の四座の御観念文には「祈念し奉る一天四海本因妙、広宣流布、大願成就御祈祷の御為に」
と祈念し、次いで「某過去遠々劫現在漫々の謗法罪障消滅、現當二世大願成就の為に」御祈念申しあげます。
一つ一つの言葉に大切な意味がありますが、ここで申し上げたいのは、最初の御文は「大聖人の本因妙の教えが世界中に広宣流布しますように」という御祈念。次の御文が「自分の遠い過去からの謗法によって積んできた罪障を消滅して、現在から未来に渡って成仏できますように」という願いです。
朝の五座の勤行をしている方は、毎日この御祈念をしています。
突然のロシアのウクライナ侵攻は、世界を驚かせ政治的にも経済的にも世界を混乱に陥れています。ウクライナでは、兵隊だけでなくお年寄りや子供たちや女性などが悲惨な虐待や虐殺を受けていると報道されています。また、アフリカではウクライナからの穀物の輸入が途絶えて多くの餓死者が出るのではないかとも報道されています。日本にも物価高の影響がでていますが、それだけでは済まなくなるかもしれません。
どうすれば、このような悲劇を無くすことができるのでしょうか?
御住職は、御法門を引かれて、「戦争は、瞋恚から起こるのです」と指導されました。瞋恚とは「瞋り」「恨み」「妬み」など、激しい「怒り」の感情です。その怒りが他に向かうときは殺人に繋がることもあり、自分に向かう場合には自傷行為を誘発することもあるようです。
仏教で説かれる「成仏」とは、内在されている慈悲の命を湧き出させることです。仏様の命は「慈悲に溢れて、常に人々を救済したいという思いが溢れておられる」そうです。この慈悲に溢れた仏の命でなければ、煩悩を乗り越えることは出来ない。怒りの感情を慈悲に変えることは出来ないと教えられています。現実がそれを証明しているのではないでしょうか?
私たちは、日蓮大聖人の教えを信じて、南無妙法蓮華経のお題目を唱えています。大聖人は、「諸宗の教えは地獄に落ちる原因」「大聖人の南無妙法蓮華経だけが唯一成仏の法である」と教えられています。
今、この正しい教えを広めて、真の人々の平安、世界の平和をもたらすために広宣流布を目指して、本年の折伏誓願目標達成のために唱題と折伏実践に精進しています。それ以外に、現在と未来(現当)に渡って真の幸せと世界の平和をもたらす道があるでしょうか?
七月は後半戦の出発であり、「立正安国論」建白の月です。御法主日如上人猊下の大導師のもと、全国一斉に誓願目標達成を祈念して唱題行が行われます。霑妙寺は朝九時から一時間、昼は一時から一時間、夜は七時から九時半まで唱題行が行われます。必ず参加して心から唱題し、唱題によって湧き上がってくる慈悲と歓喜で折伏を実践しましょう。
私たちは、日蓮正宗の信徒として、自信と誇りを持って、周りの人たちに大聖人の教えを説いていきましょう。そして本年の折伏誓願目標五百六十一名を必ず達成していきましょう。

■日恭上人御命日忌法要

六月十七日(金)午後一時より、総本山第六十二世・当山第三代日恭上人の祥月命日忌法要が奉修されました。
法要は献膳・読経・焼香・唱題と如法に修されました。
法話では御住職より、日恭上人が久留米において妙寿尼様を補佐し、布教活動に東奔西走されたこと等が御紹介されました。

■日霑上人御命日忌法要

六月十九日(日)午後一時より総本山第五十二世日霑上人の祥月命日忌法要が奉修されました。
御住職より日霑上人の御出生からの略歴がご紹介され、命がけの国家諌暁(駕籠訴)を決行されたことなどをお話しされました。
また御住職は「今の時代、布教活動で命を取られることはありません。日霑上人の御恩徳にお応えするためにも必ず皆で折伏を実践しましょう」と御指導されました。

■法華講講習会に参加して

原 卓志

私はバスコースで講習会に参加しました。大型バスは二十八人乗りでリクライニングシート、靴を脱いで足を置く所もあります。夜になると隣の席との間にカーテンもできます。本当に快適でした。
一夜明け総本山に着くと登山部長がまとめて全員分の受付をされました。講習会の会場へは早く着いたので一番前の席になりました。
一時限目の講義は諏訪御住職様がされました。「御報恩の折伏で広布へ躍進」と題して御講義がありました。その中で「畜生の狐や亀でさえ、恩を忘れることがないのに、私たち人間が受けた恩に報いることを忘れてはならない」とありました。自分は多くの方に恩を受けて生きています。それに報いる為にも最高の報恩行である折伏をやりぬいて行きます。
二時限目は「育成の実践」と題して御講義がありました。はじめに「他人のために夜明りを点せば、その人の前が明るくなるばかりではなく、自分の前も明るくなる」とありました。育成は菩薩の心で「菩薩には人を救う使命があり、その使命を果すところに、自身も心から喜びを感じることができる」「他人を育成することは、折伏と同様に、私たち自身の信心をも大きく成長させることのできる最高の仏道修行」と講義されました。
講習が終って奉安堂へ向かいました。途中三門の前に新しく横断歩道ができていて、そこを通って奉安堂に着きました。久しぶりの御開扉でとても嬉しかったです。
法華講講習会に参加して、心も新たに、今年一人以上の折伏ができる様にがんばってまいります。

北村田佳子

講習会へ今回参加しようと思ったのは、長男の嫁から「今まではコロナ禍で思うように登山が出来なかったけど、これからは一回でも多く登山されたらどうですか?」の言葉でした。と言いますのは、主人が昨年末に脳出血で二ヶ月入院し、一時は後遺症の心配がありましたが、今では毎日の勤行・唱題など以前の様に出来ます。本山へ御礼の登山をしようと決心し、長男と私達夫婦でJRで行きました。
講習会は簡潔で充実した時間でした。自分の信心の見直しをする事から実践しようと心に決めました。御開扉を受け、とても幸せな気分になりました。主人の病気の事を講中の方がとても心配して唱題を送って下さったこと、私はどれだけ励みになったことかわかりません。心が折れかけ、不安になった時、信心で救われました。この気持ちを一人でも多くの人に伝え、折伏をしなければならないと決意いたしました。

田中ミヨ子

今回の登山はコロナ禍が続き、しばらく行く事ができなかったと言う事で、荒木地区の山口さんと、必ず絶対に参加させてもらうと二人で決めていました。バスで参加させて頂きました。横三列並び、両側通路で、リクライニング、足乗せの付いている初めてのタイプのバスでした。私達は第十期で諏訪御住職の講義を受けました。講義では、つねに御住職から御指導頂いている事でしたが「折伏こそ地涌の菩薩の眷属の使命である事、最善の慈悲行であること、そして自らの過去遠々劫の罪障消滅する最高の仏道修行であること」日々謗法、罪障、業にふり回されている私にあらためて、本当にありがたく慈悲深い信心である事に気づかされました。ありがとうございます。
日蓮大聖人様の御遺命である広宣流布の大願を御報恩の唱題で御本尊様への確信と勇気と慈悲の心で必ず折伏を達成してまいります。また、講中の方々と共に活動させていただいていることに感謝申しあげます。

■青年部より

青年部長 北村佳弘

私は御住職より青年部長を拝命しております北村佳弘と申します。
霑妙寺の青年部の活動をご紹介し、少しでも多くの方が青年部の活動に参加して頂ければと思います。

【青年部について】

青年部は中学生から三十五歳までの方が所属しており、身体がどんどん大人へと成長していく多感な時期にあたるため、この時期にしっかりと信心の大切さを理解することがとても重要です。
毎月第二日曜日の御講終了後、「やさしい教学」について御住職から御指導を頂き、また御書の素読もあわせて行っております。信心の基本となることですのでぜひ多くの青年の方々に参加していただきたいと思います。

【寺院参詣について】

青年部の方で自分から進んでお寺に参詣する方とそうでない方がいらっしゃると思います。もし、あまり自分から進んでお寺に参詣されていないのであれば、ちょっと頑張って参詣してみてください。人には大なり小なり悩みや不安があると思います。これらの悩みや不安を解消するためにもぜひお寺に参詣しましょう。必ず御本尊様からの功徳を感じることができます。

【御供養について】

御供養には「財の供養」と「身の供養」があります。どちらも大切な修行です。
「財の供養」は家族の誰かがすれば良いのではなく、家族全員が行うことが大切です。たとえば学生の方でお小遣いを貰っているのであれば、その中から百円でも五百円でもいいのです。自分自身ができる精一杯の真心で御供養をすることが大切なのです。そして、それを継続することも大切なのです。
「身の供養」については青年部だからこそ出来ることを中心に、お寺の行事に参加させていただきます。例えば駐車場整理では参詣される方への挨拶や、安全面への気遣いなどがあります。人のためのお手伝いが身の供養となるのです。

【勤行について】

みなさん朝夕の勤行をきちんと行っていますか?
勤行は、仏法僧の三宝に報恩感謝するとともに、私たち自身の大願の成就、恩のある先祖への追善供養を行なう大切な儀式ですから、厳粛な気持ちで臨みましょう。
勤行は、川の水が絶え間なく流れるように、毎日欠かさず正しく実践していくことが重要です。勤行を欠かさないために、毎日時間を決めて行ないましょう。
勤行をたゆまず実践することにより、私たちは御本尊より無量の利益をいただいて、一日一日を有意義に過ごしていくことができるのです。そして信心の目的である「成仏」という最高の境涯は、御本尊を深く信じる心と御本尊に向かって勤行・唱題することによって築かれます。
五座三座の勤行は幸福な人生を確立し、希望に満ちた未来を切り開いていく源泉となるものですから、喜びをもって毎日実践しましょう。

【唱題と折伏の実践について】

御住職諏訪涼道御尊師は唱題について「唱題することによって悩みや苦しみは解決し、それが功徳となって他の人に信心のすばらしさを伝えたいと思うようになるのです」と御指導されます。
人は誰でも悩みがあります。しかし、悩みや苦しみの本当の原因を知っている人はほとんどいません。原因が分からないのですから解決策もわからないのです。
私たち日蓮正宗の法華講員は、いつも御住職から仏法の正しい道理を御指導いただき、どんな問題があっても唱題で乗り越えられることを教えていただいています。まずは私たちが御本尊様の偉大なお力を実感し、そして周りの人に伝えて行きましょう。
頑張って、友人や知人に日蓮正宗のすばらしさを伝えてもその方がすぐに入信するとは限りません。でも下種することが大事なのです。お題目をあげて勇気をもって一人でも多くの方に大聖人様の仏法のすばらしさを説いて、折伏を実践しましょう。

■御住職と宅講参加のメンバー